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2026.05.07

給食のコスト削減はどこから始める?品質を落とさず見直したい5つのポイント

給食の品質を維持しながらコストを見直す方法

「食材費が上がっている」「調理スタッフの人件費や採用費が増えている」「光熱費まで負担になっている」など、給食運営にかかるコストの増加に悩む施設は少なくありません。

幼稚園・保育園・認定こども園をはじめ、児童福祉施設や障がい者施設などでは、限られた給食予算の中で、安全性や栄養バランス、味、食べやすさを維持する必要があります。

しかし、コストを下げるために食材の質を落としたり、必要な人員を一方的に減らしたりすると、給食の品質低下や職員の負担増加につながる可能性があります。

給食のコスト削減で重要なのは、必要なものまで削ることではなく、食品ロス、過剰在庫、非効率な作業、設備の無駄などを見つけ、給食運営全体を効率化することです。

この記事では、給食の品質を維持しながらコストを見直す5つのポイントと、直営給食の効率化、自動調理機、委託給食などの選択肢について解説します。

この記事で分かること

  • 給食運営のコストが上昇している主な理由
  • コスト削減で避けたい方法
  • 品質を落とさず見直せる5つのポイント
  • 人件費を削減するのではなく効率化する考え方
  • 直営給食・自動調理機・委託給食の違い
  • 給食運営全体を見直すタイミング

給食のコストが上昇している理由

給食運営にかかる費用は、食材費だけではありません。人件費、光熱費、衛生用品費、物流費、設備の維持費など、複数の費用が重なって成り立っています。

そのため、一つの項目だけを削減しようとしても、大きな改善につながらない場合があります。

コストが上昇する要因 給食運営への影響
食材価格の上昇 同じ献立や食数でも、必要な食材費が増加します。
人件費の上昇 時給、手当、社会保険料などの負担が増えます。
調理員の採用難 求人広告費や紹介料、既存職員の残業代が増える場合があります。
電気・ガス・水道料金の上昇 加熱調理、冷蔵保管、洗浄などにかかる費用が増加します。
衛生用品の値上がり 手袋、マスク、洗剤、消毒用品などの消耗品費が増えます。
物流費の上昇 食材や消耗品の配送費、仕入れ価格へ影響します。
設備の老朽化 修理費が増え、エネルギー効率も低下しやすくなります。

幼稚園・保育園・認定こども園などでは、給食費を簡単に引き上げることが難しい場合もあります。

そのため、品質を下げずに継続できる給食体制をつくるには、日々の小さな無駄と、運営方法そのものの両方を見直すことが重要です。

給食にかかる主なコストを整理する

コスト削減を始める前に、現在どこへ費用がかかっているかを把握しましょう。

食材費だけを見ていると、採用費や残業代、設備修理費など、見えにくいコストを見落とすことがあります。

費用区分 主な内容 見直しの視点
食材費 肉、魚、野菜、調味料、加工食品など 廃棄、残食、過剰発注がないか
人件費 給与、残業代、社会保険料、手当など 作業の偏りや非効率な工程がないか
採用・教育費 求人広告、紹介料、研修、引き継ぎなど 離職や採用の繰り返しがないか
光熱費 電気、ガス、水道 機器の使い方や稼働時間に無駄がないか
衛生管理費 洗剤、消毒用品、検査、衛生用品など 適正在庫や購入単位を見直せるか
設備費 修理、点検、更新、保守契約など 修理を繰り返す機器がないか
外部委託費 献立、食材配送、調理、洗浄など 施設内で行うより効率的な業務がないか

ポイント:直営給食と委託給食を比較するときも、1食単価だけでなく、人件費、採用費、設備費、衛生管理費などを含めた総額で考えることが大切です。

給食のコスト削減で避けたいこと

コスト削減というと、食材費や人件費を直接削る方法を考えがちです。

しかし、安全性や給食品質に関わる部分を削りすぎると、利用者満足度の低下だけでなく、職員の離職や衛生管理上のリスクにつながる場合があります。

避けたい方法 起こり得る問題
食材の質を一律に下げる 味や栄養バランスが変わり、喫食率や満足度が下がる可能性があります。
必要な人員まで減らす 残業や負担が増え、離職や衛生管理の不備につながるおそれがあります。
品数や量を急に減らす 利用者や保護者から不満が出る場合があります。
設備点検を先送りする 故障や事故、エネルギー効率低下につながる可能性があります。
衛生用品を必要以上に減らす 安全な給食提供に必要な衛生水準を維持できなくなります。

大切なのは、「必要なものを削る」のではなく、「重複している作業や過剰在庫、廃棄、待ち時間などの無駄を減らす」ことです。

品質を落とさずできる5つのコスト削減

給食のコストを見直す際は、一つの方法へ偏らず、食材、発注、調理、設備、運営体制を総合的に確認します。

番号 見直す項目 主な取り組み
1 食品ロス 残食、作りすぎ、期限切れを減らす
2 発注量・在庫 実績に基づいて発注量を調整する
3 調理工程 動線、作業分担、食材、機器を見直す
4 光熱費・設備 稼働方法、点検、設備更新を検討する
5 給食運営全体 直営、部分委託、全面委託を比較する

1.食品ロスを減らす

作りすぎや食べ残し、使用期限切れによる廃棄は、そのまま給食コストの損失になります。

まずは、献立ごとの残食量や利用者数、欠席数を記録し、どの料理で食品ロスが発生しているか確認しましょう。

残食量を献立別に確認する

残食が多い場合は、味だけでなく、量、食べやすさ、食材の大きさ、提供温度などが影響している可能性があります。

特に子ども向け給食では、年齢に合わない量や大きさになっていないかを確認することが重要です。

食数の変更を早めに反映する

欠席や行事によって必要食数が変わる場合は、注文や仕込みへ反映できる仕組みを整えます。

曜日ごとの利用傾向や過去の実績を確認すると、過剰な仕込みを減らしやすくなります。

食品ロスを確認する項目

  • 献立別の残食量
  • 曜日別の欠席数
  • 盛り付け量のばらつき
  • 食材の期限切れ
  • 過剰な仕込み量
  • 利用者の年齢や状態に合った食べやすさ

2.発注量と在庫を見直す

食材をまとめて購入すると単価を下げられる場合がありますが、使い切れずに廃棄すれば、結果的にコストは増えてしまいます。

発注量は、単価だけでなく、保管場所、使用頻度、消費期限、食数の変動まで考慮して決める必要があります。

確認する内容 見直しの方法
過去の使用量 献立や食数ごとの使用実績を確認する
現在の在庫量 発注前に在庫を確認できる仕組みをつくる
消費期限 期限の近い食材から使用する
発注単位 大容量購入が本当に得かを廃棄量も含めて判断する
発注担当者 発注方法を標準化し、属人化を防ぐ

発注担当者の経験だけに頼るのではなく、使用実績や在庫表をもとに発注できる仕組みにすると、過剰在庫や発注漏れを減らしやすくなります。

3.調理工程を効率化する

給食現場では、同じ場所を何度も往復している、特定の職員だけに作業が集中しているなど、気づきにくい無駄が発生していることがあります。

調理工程を見直す際は、作業時間だけでなく、職員の移動、待ち時間、機器の稼働状況も確認します。

厨房動線を確認する

食材の受け取りから保管、下処理、調理、盛り付け、洗浄までの流れを書き出します。

冷蔵庫、調理台、加熱機器、盛り付け場所を何度も往復している場合は、配置や作業順を変えることで負担を減らせる可能性があります。

下処理済み食材を取り入れる

カット野菜、骨取り魚、加熱済み食材などを活用すると、下処理時間や廃棄物を減らせます。

ただし、食材単価が高くなる場合もあるため、人件費、作業時間、廃棄量まで含めて比較しましょう。

作業を標準化する

レシピ、調理時間、温度、盛り付け量などを標準化すると、担当者による作業時間や品質のばらつきを減らせます。

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4.光熱費と設備の使い方を見直す

給食施設では、加熱機器、冷蔵庫、食器洗浄機、給湯設備などを長時間使用します。

設備の使い方や状態によっては、必要以上のエネルギーを消費している場合があります。

見直す設備・作業 確認したいポイント
加熱機器 少量調理のために大型機器を長時間稼働していないか
冷蔵庫・冷凍庫 詰め込みすぎ、扉の開閉、パッキンの劣化がないか
給湯設備 必要以上の温度や使用量になっていないか
食器洗浄機 少量で何度も稼働していないか
老朽化した機器 修理費やエネルギー消費が増えていないか
定期点検 汚れや部品劣化により効率が落ちていないか

設備更新には初期費用が必要ですが、修理費、作業時間、光熱費を長期的に比較すると、更新した方が負担を抑えられる場合があります。

5.給食運営全体を見直す

食品ロスや光熱費を見直しても、調理員不足や設備の老朽化など、給食体制そのものに課題がある場合は、部分的な改善だけでは限界があります。

その場合は、直営給食を続けることを前提にせず、次のような方法も含めて比較します。

  • 直営給食の業務分担を変更する
  • 下処理済み食材や調理済み食品を活用する
  • 自動調理機や省力化機器を導入する
  • 献立作成や食材調達だけを外部へ依頼する
  • クックチルやパック給食を活用する
  • 給食業務全体を委託する

重要:給食運営の見直しは、単に安い方法へ切り替えることではありません。安全性、職員負担、味、栄養、継続性を含めて、自施設に合う方法を選ぶ必要があります。

人件費は「削る」より「効率化する」

給食運営において、人件費は大きな割合を占めます。

しかし、必要な人数を減らすだけでは、残った職員の負担が増え、残業、離職、採用費の増加につながる可能性があります。

特に、調理スタッフを募集しても応募が来ない、採用しても定着しない、栄養士や施設職員が厨房を手伝っている場合は、人件費ではなく、業務の仕組みに課題があるかもしれません。

人件費を効率化する方法

現場の課題 見直し例
経験者に仕事が集中している レシピや手順を標準化し、作業を分担する
下処理に時間がかかる カット済み食材や調理済み食品を活用する
盛り付け時間が集中する 短時間スタッフや補助担当を配置する
発注や帳票が属人化している 発注基準や記録方法を統一する
調理中の見守りが多い 自動調理機やタイマー機能付き機器を検討する
採用やシフト管理が負担 一部委託や全面委託を比較する

人件費対策で大切なのは、人を減らすことではなく、限られた人数でも無理なく安全に運営できる仕組みをつくることです。

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自動調理機を導入する方法

大量調理を行う施設では、自動調理機や省力化機器を導入する方法もあります。

自動調理機には、攪拌、加熱、温度管理などを機械で行えるものがあり、調理中の作業負担や見守り時間を減らせる場合があります。

また、調理工程を標準化することで、「担当者によって味が変わる」「熟練スタッフしか作れない」といった属人化の解消にもつながります。

自動調理機が向いている施設

  • 一定以上の食数を毎日調理している
  • 煮物や炒め物など、繰り返し作業が多い
  • 攪拌や加熱中の見守り負担が大きい
  • 調理品質を標準化したい
  • 今後も施設内調理を継続する予定がある

一方で、導入費用や設置スペース、使用頻度によっては、十分な効果を得にくい場合もあります。

食数、献立、厨房設備、作業内容を確認し、導入費用だけでなく、削減できる作業時間や人員配置まで含めて検討しましょう。

参考記事
業務用厨房機器メーカー服部工業の大量調理・厨房自動化に関するコラムを見る

委託給食を活用する方法

調理員の採用、食材調達、厨房設備の維持などに継続的な負担がかかっている場合は、給食業務の一部または全部を外部へ委託する方法もあります。

委託給食は、単に調理スタッフを減らすための方法ではありません。

献立作成、食材調達、調理、配送、衛生管理などを専門会社と分担することで、給食運営にかかる負担や変動しやすい費用を整理しやすくなります。

委託を検討できる業務

委託する業務 内容 期待できること
献立作成 献立や栄養価計算を外部へ依頼する 栄養士業務の負担を減らす
食材調達 発注、仕入れ、配送を委託する 在庫や発注管理を簡素化する
調理済み給食 センターで調理した給食を配送する 施設内の調理工程を減らす
パック惣菜 温めて盛り付けられる料理を利用する 少人数でも給食を提供しやすくする
給食運営全体 人員配置を含め給食業務を委託する 採用やシフト管理の負担を減らす

委託給食へ切り替えると必ず費用が下がるとは限りません。

ただし、直営給食で発生している人件費、採用費、残業代、修理費、食材廃棄などを含めると、委託によって費用や運営体制を安定させられる場合があります。

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給食運営の見直し方法を比較

コスト削減の方法は、施設の食数、厨房設備、人員体制によって異なります。

方法 主な特徴 向いている施設 確認したい点
現場改善 動線や発注、業務分担を見直す 直営を継続できる体制がある施設 改善を進める担当者と時間が必要
省力化食材 下処理や調理工程を減らす 下処理負担が大きい施設 食材単価と人件費を比較する
自動調理機 調理作業や品質を標準化する 食数が多く施設内調理を続けたい施設 導入費用、設置場所、使用頻度
一部委託 特定の業務だけを外部化する 直営を残しつつ負担を減らしたい施設 施設と委託会社の役割分担
調理済み給食 温めや盛り付けを中心に提供する 小規模施設や調理員不足の施設 保管設備、配送、献立内容
全面委託 給食運営全体を専門会社へ任せる 採用や運営管理が難しい施設 費用、契約範囲、運営体制

給食コスト見直しチェックリスト

現在の給食運営に改善できる部分がないか、次の項目を確認してみましょう。

  • 献立別の残食量を記録している
  • 食数変更を発注や仕込みへ反映できている
  • 在庫量と使用期限を定期的に確認している
  • 特定の職員に作業が集中していない
  • 厨房内で不要な往復や待ち時間が発生していない
  • 下処理済み食材と通常食材の総コストを比較している
  • 厨房機器の点検や清掃を定期的に行っている
  • 老朽化した設備の修理費を把握している
  • 調理員の採用費や残業代も給食コストに含めている
  • 直営以外の給食方式も比較したことがある

当てはまらない項目が多い場合は、食材費だけでなく、給食運営全体を整理することで改善点が見つかる可能性があります。

給食のコスト削減についてよくある質問

Q. 食材費はどこから見直せばよいですか?

A. まずは、残食、期限切れ、過剰在庫を確認しましょう。単価の安い食材へ変更する前に、現在購入している食材を無駄なく使えているかを確認することが大切です。

Q. 人件費を抑えるには人を減らす必要がありますか?

A. 必ずしも人員を減らす必要はありません。調理工程、業務分担、厨房動線、食材、機器を見直すことで、同じ人数でも効率的に運営できる場合があります。

Q. 自動調理機を導入すればコストを下げられますか?

A. 食数や使用頻度によって異なります。調理量が少ない場合は、導入費用に見合う効果を得にくいこともあります。削減できる作業時間や人員配置まで含めて判断しましょう。

Q. 委託給食は直営より安くなりますか?

A. 食数、提供方法、委託範囲によって異なります。人件費だけでなく、採用費、残業代、設備費、衛生管理費などを含めて比較する必要があります。

Q. 小規模な保育園でも給食を委託できますか?

A. 給食会社や提供方式によっては可能です。現地調理だけでなく、クックチル、パック惣菜、冷凍パック給食など、少人数施設でも導入しやすい方法があります。

Q. 給食コストの相談は何を準備すればよいですか?

A. 現在の食数、人員数、勤務時間、食材費、厨房設備、困っている業務などを整理しておくと、具体的な比較や提案を受けやすくなります。

まとめ|給食の品質を守りながら無駄を見直そう

給食のコスト削減は、単純に安い食材へ変更したり、人員を減らしたりすることではありません。

食品ロス、発注量、在庫、厨房動線、調理工程、設備の使い方などを確認し、安全性や給食品質に影響しない無駄を減らすことが重要です。

給食コストを見直す主なポイントは、次の5つです。

  1. 食品ロスを減らす
  2. 発注量と在庫を見直す
  3. 調理工程を効率化する
  4. 光熱費と設備の使い方を見直す
  5. 給食運営全体を見直す

特に人件費については、人を減らすのではなく、限られた人数でも無理なく運営できる仕組みをつくることが大切です。

自動調理機、省力化食材、クックチル、一部委託、全面委託なども含め、自施設の食数、人員体制、厨房設備に合う方法を比較しましょう。

給食コストや運営方法の見直しは、くるみ給食へご相談ください

くるみ給食は、愛知県の岡崎市にある岡崎クックチルセンターで作っている委託給食サービスです。毎日約2,500食を製造し、幼稚園・保育園・認定こども園・障がい者施設・高齢者施設などへ給食をお届けしています。

食材費や人件費、光熱費が上昇する中で、現在の給食運営をどのように見直せばよいか分からないという施設も少なくありません。

くるみ給食では、クックチル方式による給食提供、食缶、お弁当、パック惣菜などを活用し、施設の食数、厨房設備、人員体制に合わせた給食運営をご提案しています。

施設内での仕込みや調理、食材管理の負担を減らすことで、給食品質を維持しながら、限られた人員でも安定した食事提供を続けやすくなります。

アレルギー対応、宗教対応、少人数施設への給食提供、冷凍パック給食による県外配送などについてもご相談いただけます。

「給食コストを見直したい」「調理スタッフの確保が難しい」「直営給食を続けるべきか迷っている」といった段階でも、現在の状況を確認しながら無理なく続けられる方法をご提案します。

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